アウフヘーベン【止揚】

未分類

こんにちは、yukinoshitaです。
前回の記事で、ヒトの輝きには2種類あることを説明しました。
私はこれまで”輝き”について説明をしてきましたが、”輝く”ことはまだ説明していません。
今回は、その”輝く”についてお話ししたいと思います。

 

さて、”輝き”と”輝く”って一緒じゃん!って思ったかもしれませんが、ちゃんと違うんですね。笑
ざっくり説明すると、”輝き”はその人に備わっているモノ(名詞)、”輝く”はそれを使って、光り輝くこと(動詞)、っていうイメージです。
というのも、「人生すべてが楽勝、うまくいってまーす!」なんて人、絶対いません。
何かで成功していたり、人として次元の高い人は必ず、人生の試練や困難を経験しています。
その試練をその人の”輝き”をもって超克した瞬間、その人は今までにないエネルギーで”輝く”のです。

 

一瞬、と書きましたが、人が本当に輝くのって、一瞬なんです。
その一瞬が、人の心を照らしたり、感動を与えたりするのです。

 

と、ここまでを踏まえて、一つのCMをご覧ください。
ここまで説明したことが、余すことなく全部、完璧に表現してあります。笑

PANTENE : A Very Touching Deaf Violinist Commercial

どうだったでしょうか?
私個人としては、1本の映画を見たくらいの満足感のある、とても良いCMだなぁ、って思います。
まぁでも途中まで見ただけだと、「一体なんのCMなんだ?」ってなりますよね。笑
実はこの「一体なんのCMなんだ?」も巧妙な宣伝のトリックで、”認知的不協和”という技を使っているのですが、
そちらは今回とは関係のないとこの話なので…笑

 

さて、”輝く”に話を戻して、このCMを解説していきたいと思います。
彼女の持っている本物の”輝き”は、バイオリンを通して見える、美しい草原の風景でした。
それを町のおじさんに教えてもらい、一緒に弾くことが彼女の幸せでした。

 

一方その裏で、彼女はある女の子に虐められていました。
「耳の聞こえないお前に、音楽ができるわけない!」と。
これが説明してきた、彼女にとっての人生の試練になります。
「どうして私は人と違うのだろう…」
これが、彼女の闇となり、根深く残り続けます。

 

そんな彼女は、クラシックコンサートで演奏することを夢に見ます。
しかし、それを遮るように、女の子から「お前には無理だ!」と言わんばかりに虐め続けられます。
コンサートの日が近づいたある日、
さらに、彼女には人生最大級の試練が訪れます。

 

それは、おじさんと演奏しているときに、町で暴漢達に襲われたことです。
大事にしていたバイオリンは壊され、おじさんは意識不明の重体(多分。笑)になってしまいます。
彼女の幸せは、一瞬にして奪い去られてしまいました。
きっと、このときの彼女の闇は無限に広く、深かったと思います。

 

こうして迎えたコンサートの日。
どうしてもコンサートに出たかった彼女は、つぎはぎのバイオリンで出場します。
そのステージの上、彼女は”輝き”も”闇”も全部巻き込み、まさに、”輝く”のです。
虐められた、泣いた、バイオリンを壊された…そんな”闇”と、美しい草原の”輝き”が、交互に現れ、ぶつかり合い、そして昇華します。
その様子は、サナギが蝶になるようでした。
そんな”輝く”、最高の演奏をした彼女は、観衆に割れんばかりの拍手をもらうのでした。

 

…と、このような流れですよね。
この、光と闇の融合は、ヘーゲル哲学の弁証法において、止揚(アウフヘーベン)って表現します。
光は「テーゼ」、闇は「アンチ・テーゼ」です。
そして、テーゼとアンチ・テーゼが”止揚”することで生まれる、新しい世界のことを、「ジン・テーゼ」と言います。

 

今回の例だと、
テーゼ=バイオリンを弾いて見える草原の風景が美しいこと
アンチ・テーゼ=自分が普通じゃない(耳が聞こえない)こと
ですよね。そしてこれらが止揚する瞬間、莫大なエネルギーで観衆を感動させました。

 

じゃあ、ジン・テーゼは?っていうと、「本物の輝きは、美しい」ということだと思います。
あえて補足すると、
「(彼女の見せる美しい草原の風景という)本物の輝きは、(普通じゃなくても、だからこそ、人を感動させるくらい)美しい」
となるのかな、と思います。

 

そして、このジン・テーゼを得た彼女は、すごく成長してると思います。
だって、「自分は普通じゃない」っていう闇を昇華したわけですからね。
今後の彼女はきっと、その演奏で人々を魅了し、「聾のバイオリニスト」として活躍していくんじゃないかな?って思います。

 

そして、そんな彼女、”女性”にとっての本物の輝きの代名詞である「髪」の秘訣はパンテーン!
という、CMでした。笑

 

まぁ、それは置いといて、
この「止揚」の話で私が伝えたかったことは、「闇が深ければ深いほど、人は大きく輝く」ということです。
だから、闇を闇のまま、落ちていかないでほしいな、って思います。
心が裂ける様な辛い過去も、どうしても治らない自分の弱さも、
「聾のバイオリニスト」のように、闇は必ず輝くんだ、っていう、そんな自信をもって生きていってほしいです。
そうして、「止揚」して得られたジン・テーゼは、きっと貴方を成長させてくれる筈です。
一人でも多くの人に、人生の試練に屈することなく、立ち向かってほしいな、って本気で願ってます。

 

というわけで今回は、止揚の輝きは美しく、人を成長させる、という話でした。
実はこれまでに紹介してきた映画の感動シーンって、「止揚」なんです。
ボヘミアン・ラプソディーだと、最後のライヴエイドのシーンだし、
いま、会いにゆきます。だと、自分の人生を受け入れた澪の「いま、会いにゆきます。」のシーンです。
感動したい方は、是非チェックしてみてください。笑

タイトルとURLをコピーしました